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面接官の人選は適切だったか?

まず、面接業務を担う面接官の人選が適切だったかどうかを振り返る必要があります。面接官の人選が採用選考に与える影響は次のようなものがあります。

  1. 応募者の志望度への影響
  2. 応募者の評価と合否
  3. 面接に呼ぶことができる応募者数
     

 

1.応募者の志望度への影響

採用活動の成功のためには、応募者の志望度を上げることも必要になります。そして多くの場合、応募者がもっとも多くの時間を接する社員は面接官です。応募者は評価されると同時に、応募先の企業が自分にあっているか、また活躍できそうな場所かを無意識にチェックしています。面接官はそのことを十分に自覚し、応募者との応答をする必要があります。

また、面接官に依頼をする側の人事としても、応募者の心理的状況とうまくマッチした面接官を配置することが求められます。一般的に、選考初期段階では若手社員が面接官を担当し、その後中堅、最終段階では役員クラスが面接を担当することが多いようです。しかし、それはなぜかということを人事担当者が理解し、戦略性をもって配置していることはまれです。自社の採用があくまで習慣にのっとった戦術をとっていないか、改めて振り返ってみてください。とはいえ、若手―中堅―役員という並び順には多くの企業が採用する理由があります。応募者の目線から見れば、入社直後の仕事内容や心理的変化などを若手面接官から吸収することで志望度を上げ、中堅社員を見て自己のキャリアアップをイメージし、役員層を見て企業の成長戦略を知る、という企業理解の道筋はとてもわかりやすいでしょう。

まずは採用活動の中でどのような戦略にそって面接官を配置したかを見直し、そこから分析手法を考えることがよいでしょう。分析の仕方の代表例としては、アンケート形式(内定者、承諾者などへ各面接後の志望度の変化やその理由をアンケートにとる。また、不合格者、辞退者などについても同様のアンケートをとり、両者の違いをまとめる)がよいのでははいでしょうか。

 

2.応募者の評価と合否

面接官ごとの評価についても分析が必要です。面接官として正しく評価ができていたのかどうかを判断し、正しく評価ができていない面接官には研修を受講してもらったり、改善の見込みがない場合や代替の方がいる場合は面接官業務を依頼しないようにしたりする必要があります。そのための評価指標としては、面接官個人レベルでの評価のバラツキをみることで、中心化傾向や極端化傾向がないかを判断したり、面接を担当した応募者がその後の選考に進んでいるかどうかで、評価基準の正しさや応募者の志望度に与える影響を判断したりすることができます。もし、特定の面接官を通過した応募者の辞退率が高ければ、面接を通して応募者の志望度を下げている可能性が考えられます。

応募者へのマイナス印象は、BtoC企業ではカスタマーを失うことになるだけでなく、コンプライアンス上の問題も疑う必要がでてきます。面接官の評価と合否を分析することで、採用活動の品質チェックを行うこともできるのです。

 

3.面接官が対応できた応募者数

一般に、選考初期段階がもっとも応募者数が多く、ともなって面接回数も多くなります。そのため、選考初期段階の面接官は人数、時間ともに工数をかける必要がでてきます。この工数が不足した場合、応募者を無用に待たせてしまうことで選考辞退につながりかねません。また、面接官も落ち着いて評価をするためには余裕のあるスケジューリングが必要になります。

企業の採用活動が応募者に支持されるために必要な点のひとつに、スケジュールを守るということがあげられます。このスケジュールを守るためにも、余裕を持った応募者数の見込みと、その数に対応できるだけの面接官数、また面接時間数を確保しなければなりません。振り返りの際には、面接官の人数や時間が適切であったかどうか、採用側の都合で極端に選考間の日数があいてしまった応募者はいないかどうかを見ることが必要になるでしょう。

選考フローの組み立て方

選考フローを組み立てるに当たり、定義した人材要件をどのステップで確認するのか決めていくと良いでしょう。前述の通り、用いる手法(グループディスカッション、筆記試験等)によって確認できる項目が異なりますので、その段階で見極めたい要件にマッチした手法を取り入れるとよいでしょう。また採用の効率を考えると、当然ですがエントリーシートや筆記試験、グループディスカッションなど多くの人数に対応できる手法を前段階に配置し、面接の負荷を減らす工夫も有効です。ただし、自社で確認したい要件がそれらのスクリーニング手法では見極められないのであれば、思い切って全員と面接を行うフローを作ってみてもよいかもしれません。

採用時に必須となるノックアウト要件が不足している応募者を選考ステップの後半まで進めても両者にとって良いことはありませんので、初期選考段階でノックアウト要件を見極めていくことが必要です。また、ノックアウト要件については1次面接で確認したとしても、次面接以降でも重ねてチェックすることで採用のミスをなくしていくことができるでしょう。

また、2次面接、3次面接と重ねる場合には前面接での評価や残っている懸念点を次の面接官にしっかり引き継ぐことで採用全体を効率的で効果的にしていくことができます。ですから、評価表は合否の結果だけではなくヒアリングした内容、なぜそのように評価したのかといった理由をなるべくたくさん残していく事が重要ですし、それらをすべて次の面接官へと引き継ぐ仕組みが必要です。

 

適切な面接回数・時間の設定

新卒採用であれば、筆記試験やグループワークの他に行う「面接」の回数は以下が一般的と言えます。

文系:2~5回程度
理系:2~3回程度

理系の学生は研究活動が忙しいため、拘束時間が長くならないよう選考フローを組み立てるとよいでしょう。回数が少ない分、理系の面接では研究内容発表を入れるなどして、技術力や研究に対する取り組み姿勢を具体的に確認するケースも見受けられます。
中途採用であれば、2~3回の面接で採用を決定するケースが多いようです。ポジションごとに応募を受け付けていることが多いため、1次面接から配属予定の現場社員が面接をするケースが一般的です。
面接時間は会社によって様々ですが、2~3人の集団面接で30~45分程度、個人面接で30~1時間程度とるケースが一般的です。時間を割いてじっくりと深いヒアリングをすれば、応募者の志望度も上がりますので、志望度とのバランスを見ながら面接時間を調整すると良いでしょう。

評価基準を理解する

「入りたい人材」より「ほしい人材」を採用する

面接官の本来の使命は、応募者が自社の求める人材なのかどうかを見極めることです。「入りたい!」と言っている人材を採用することは簡単ですが、「ほしい人材」」を採用することが、採用活動の目的であることを忘れてはいけません。面接官は、ヒアリングによって引き出した事実情報に基づき、自社が求める人物要件(仕事に関する能力)を満たしているか否かをジャッジしていくことが求められているのです。

では、求める人物像は、どのように決めていけば良いのでしょうか。自社としてほしい人材か否かの判断を行う前に、まず「どのような人材を採用したいのか」を言語化しておく必要があります。つまり、求める人物像を明確にすることが重要なのです。

 

具体的なシチュエーションを想定し、言語化することが重要

例えば、コミュニケーション能力のある人がほしいのであれば、自社に(あるいは新しい人材を配置する部署に)必要な能力を「コミュニケーション」という言葉を使わずに表現してみてください。「コミュニケーション能力」と一言にいっても、飛び込み営業に求められるのは「初対面でもものおじせず話す力」ですし、クレーム対応に求められるのは「相手の話をじっくり聞く力」と言えます。会社によって、また任せたい仕事によって、求めるコミュニケーション能力は違うはずです。そこを明確にしないまま面接に臨んでしまっては、自社に本当に必要なコミュニケーション能力を持つ人を見極めることなどできません。ですから「顧客に分かりやすく伝えられる説明能力の高い人」のように、できるだけ細かく言語化することが大切です。

また、求める人物像を考える際は、社内でディスカッションする時間を設け、さまざまな立場の人が意見を出しえるのが最適です。通常業務の中で各部署が集まるようなまとまった時間を取るのは難しいかもしれませんが、自社に必要な人材像が明確になり、イメージを共有できるので、ぜひ設けていただきたいと思います。


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