複数人

面接実施【手法編】

最適な面接手法を選択する

面接には、主に下記のような複数の手法が存在します。それぞれに長所、短所があり、会社の状況や求める人物像、そして採用市場の動向に応じて、選考ステップごとに面接の目的をはっきりと決定し、人事採用ご担当者様、面接官など採用活動にかかわる全員が共有してこそ面接は有意義なものになります。

  • 個人面接…1人の応募者を1人または複数の面接官が面接
  • グループ面接(集団面接)…複数(一般的には3~4人)の応募者を1人または複数の面接官が面接
  • グループディスカッション/グループワーク…特定のテーマについて応募者が議論している様子を評価
     

手段と目的が逆転していないか?

「あなたの会社では、何のために1次面接をしていますか?」「2次面接の目的は?」という問いに、はっきりと迷いなく答えるのは、実は難しいのではないでしょうか。

面接手法には、前述のように複数種類が存在します。面接の手法自体ではなく、面接を行う目的の設定こそ採用成功のキモになることを再度強調しておきたいと思います。

「ウチの会社の採用では、かならず4回面接をすることになっている」「当社の採用は1次では集団面接、2次から個人面接をやってきた」「最終面接は必ず社長と役員」という類の話をよく耳にします。あなたの会社の面接手法・面接フローは過去の慣習に縛られていませんでしょうか。一度、それぞれのステップの目的を見直し、面接手法を見直してみることも時には必要なのです。

また、人事採用ご担当者様からよく聞くお悩みに多いのが、「面接手法・フローを時代に合わせて見直したいが、役員面接・社長面接は『聖域』になっており絶対に変えられない」「部長面接を無くすとか、部長面接と役員面接、2回行っていた面接を1回に統合したいが、部長の反対に合ってしまうのでできない」ということです。会社全体が「ウチの面接手法はこういうものだ」という固定観念にとらわれ、面接手法・フローがガラパゴス化している会社は少なくありません。あなたの会社の面接手法・フローはガラパゴス化していないでしょうか?

少し矛盾するようですが、そもそも人事採用ご担当者様の仕事とは、何回も繰り返し面接しなくても、自社に必要な人材が採用できる仕組みを作ることではないでしょうか。極論すれば、面接など行わなくても、採用したい人物が応募してきて、採用できればいいのです。そう考えてみると、現在のあなたの会社の面接手法・フローは少し「ぜい肉」でだぶついていませんか?そぎ落とせる部分はないでしょうか。

一般的に面接とは「大量の応募者を、だれが面接官をやっても、同じ基準で」選考するためのものです。「採用する人数や採用にかかわる社員の体制によっては、面接などしなくていい局面さえある」ということを頭に入れておくだけでも面接手法・フローを決定する際に、多くのぜい肉をそぎ落とすことができるでしょう。

では、的確な面接手法・フローを選ぶためには、どのような要素を考慮に入れるべきか?を下記で考えてきましょう。

 

的確な面接手法を選ぶために、チェックすべき要素

一般的に、以下の4つの要素を総合的に考慮して、最適な選考手法・フローを決定していくことになります。各要素のとなりにカッコ書きした質問を自問することで、最適な選考手法・フローを組む一助になるでしょう。

  1. 採用人数(何人採るか)
  2. 求める人物像(どんな人を採るか)
  3. 採用の決裁フロー(だれが見るか)
  4. 自社をとりまく採用環境(見極め重視で行くか、志望度アップ重視でいくか)
     

では、それぞれの要素について、考えていきましょう。

1.採用人数(何人採るか)

一般的に採用人数が多いほど、多くの応募者を集める必要があります。当然、選考に参加する人数も増加します。それに伴い、複数人数の応募者を同時に選考する必要が出てきます。一方、採用人数が少ない場合は、応募者は比較的少なくなりますので、一人ひとりの応募者をじっくりと見極めつつ、志望度を上げていくことが望ましいといえます。

「景気の良かった時に大量人数採用をしていたが、近年は採用人数が半分以下に減った」という企業では、選考手法が大量採用時代のままになっており、採用がうまくいかない一因となっているケースが散見されます。

2.求める人物像(どんな人を採るか)

求める人物像によって「面接で何を見るべきか」が変わり、同時に最適な面接手法が変わってきます。たとえば、飛び込み営業のような第一印象や、初対面との人とのコミュニケーション能力がとにかく大事であるという仕事であれば、グループディスカッションを取り入れるべきかもしれません。また、一つのことを深く考えるという要素が求められる仕事であれば、集団面接よりも、個人面接でじっくり質問をしていくということが望ましいといえます。このように「見極めたい要素」に応じて的確な選考手法を選択することが必要です。

余談ですが、求める人物像を聞くと「集団の中での協調性が高い」と返ってくるのに、選考では個人面接だけ、というような笑い話もあります。個人面接で「あなたは協調性が高いですか?」という質問をしても、あまり意味をなしません。実際に集団の中でどのような姿勢でグループディスカッションに取り組むか、を見る方が、はるかに精度が高いといえます。
 

3.採用の決裁フロー(だれが見るか)

つまり「誰がOKと言ったら採用になるのか」ということです。採用の決裁フローにかかわる社員が多くなればなるほど、多くの回選考を行うことになってしまいがちです。採用の決裁フローにたくさんの社員が関わっている背景には、日本企業特有の「みんなで決める」ことで責任の所在をあいまいにしようとする風土があると考えられます。また日本では整理解雇のハードルが高く、一度採用した社員はそう簡単にやめさせられないということも影響しているでしょう。

官僚化した組織では、「誰がこんなやつを採ったんだ!」と採用後言われないように、「現場社員」「課長」「部長」「役員」と採用決裁フローにかかわる社員が多くなる傾向があります。すると、選考基準がぶれたり、選考回数が過剰になり、必要以上に多くの応募者を集めなければいけなくなったり、必要以上に選考期間が延びたり、応募者の負担が増えるため選考途中で辞退されるという弊害が生まれます。

一方で、採用の意思決定に多くの社員が関わること自体は悪いことばかりではありません。「自分が採用した社員なので入社後も育てよう」という育成についての当事者意識向上や、「会社の代表として採用活動にかかわっている」というモチベーションアップも期待できます。「みんなで決める」ことは応募者を入社後に守るという側面もあります。

つまり、多くの社員に採用活動にかかわってもらいながら、選考基準をぶらさず、最適な募集人数と選考回数に抑え、応募者を待たせないという絶妙なバランスをとるのが、人事採用ご担当者様の腕の見せどころではないでしょうか。

4.自社をとりまく採用環境(見極め重視で行くか、志望度アップ重視でいくか)

これは、ストレートに表現すると「あなたの会社に最初から入りたいともおっている人が多いのか、社名も知らないという人がほとんどなのか」ということです。応募者にとって知名度が高い企業は、応募者が多くなる傾向にあります。
応募者集めに困ることはない反面、「記念受検」の応募者や、消費者視点だけで会社を見ており、事業や仕事をよく理解していない「勘違い」した応募者が増えます。その場合、選考フローの初期段階で多くの応募者をネガティブチェックする必要が出てくるため集団面接を行う、などの工夫が必要になります。

また、ほとんど応募者に存在を知られない企業は、特に初期段階で志望動機を深く聞くなどのハードルの高い選考を課すことや、集団面接のような応募者に「あまり丁寧に見てくれない会社だな」と思われる、志望度を下げてしまう可能性のある選考手法は避けるべきでしょう。「最初からウチのことを志望している応募者などいない」というほどの気持ちで、志望度を上げられるような選考手法を選択することが望ましいといえます。グループディスカッション/グループワークで、業務の疑似体験や実際社内の会議で検討している議題など、応募者の理解を促進し興味を引くような選考を行うのもよい方法です。

また、自社だけでなく、世の中全体として「売り手市場(応募者を集めにくい)」なのか、「買い手市場(応募者を集めやすい)」なのか、業界全体として「人気業界」なのか「不人気業界」なのか、といった動向変化に敏感にアンテナを張り、環境に合わせて選考手法・フローを変えていくことが肝要です。


最後に、よく面接手法・フローを考える際に、陥りやすい落とし穴として「応募者都合よりも社内の都合を優先して考えてしまう」ことです。あくまで採用活動の目的は、会社に必要な人材を、必要な人数採用する、ということです。この最終目的を常に意識しておくということも必要になるでしょう。

 


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プロブスト法とは?

1930年にアメリカのセントポール人事委員会のJ.B.プロブストが開発した、人事考課の一種です。はじめは公務員の人事考課に使用され、その後、産業界にも普及しました。人事考課に用いられるプロブスト法は、2つの過程から成り立っています。第1の過程は従業員についての客観的事実を得るために勤務報告書(チェックリスト)を作成することです。勤務報告書には、成功体験、失敗体験を表す具体的な行動・態度等が100個程度(特別の知識や熟練、正確性、信頼性、人格、生産量など)の項目があります。第2過程では、その報告書(チェックリスト)の中で存在すると確信できる項目を、応募者の実際の行動や起こった事実をもとに複数人でチェックして評定するという仕組みです。

採用で用いられるプロブスト法は、ビジネスパーソンの能力や態度等に関する評語(短文)を相当数ランダムに列挙し、応募者について観察された項目にチェックを入れて応募者の人物特徴を浮き彫りにする、という手法です。短文チェック法とも呼ばれています。

ハロー効果(ある一面の印象で他の面の評価も引きずられてしまう評価エラー)や論理誤差(事実を確認しないで、一つのことから関連付けて他も推論で評価してしまう評価エラー)、中心化傾向や寛大化傾向(その逆の厳格化傾向)といった面接で発生しやすい評価エラーを防止する効果があります。最終得点が評価者にもわからないので作為性を排除し、公正が期せるという長所もあります。「人物明細書法」とも呼ばれるように、共通言語をもって人物特徴が細かく表現することが可能です。

偏見や先入観にとらわれにくい、ブレにくい評価結果をアウトプットすることが可能ですが、その反面、チェック項目の選定や評価のウエイトづけに手間がかかる、評価者の評価意欲を阻害する可能性があるなどの問題点もあります。

具体的な評価方法

まず、ランダムに並べられた能力・態度に関する評語(短文)の中で、面接を通して応募者に見受けられた項目をすべて選びます。この評語(短文)は、ビジネスパーソンに必要とされる能力尺度(例:学習する力・思考する力・行動する力・協働する力)にカテゴライズすることができ、評価者が選んだ項目を能力尺度別に点数化することができます。

能力尺度毎の点数の高低・バランスを見ることで、評価者の判断基準に基づいて応募者を評価することができます。



グループディスカッション選考とは?

グループディスカッションとは、与えられたテーマと制限時間のもと、複数人の参加者が自由に討論し、結論を導くディスカッションの手法です。その討議や結論を導き出す過程(プロセス)を見ながら、面接官が評価を行うものがグループディスカッション選考です。必ずしも議論に勝った応募者が良い評価を受けるということはなく、あくまでも能力・コンピテンシーなどに基づいて評価を行います。

「1グループにつき何名合格」という基準を設ける場合もありますが、グループによってバラつかせることも可能です。極端な話だと、グループ内の合格者が0人のケースもあれば、全員合格のケースもあります。グループディスカッションとは言え、グループ内での相対評価をする訳ではなく、応募者個々人を評価することが大切です。

 

グループディスカッション選考の目的

グループディスカッションの目的は様々ですが、例としては次のようなものが挙げられます。目的を明確にした上で、メリットとデメリットを把握し、テーマを決める必要があるでしょう。

  • ネガティブチェック
  • チーム力(リーダーシップ、協調性など)チェック
  • 発言力(積極性、論理性など)チェック
  • 管理能力チェック
     

グループディスカッション選考のメリット

  • 一度に多くの応募者を評価でき、効率が良い
  • 応募者の素を見ることができる
  • 比較評価がしやすい
  • コミュニケーション能力、協調性などの個人面接では見られない特徴を見ることができる
     

グループディスカッション選考のデメリット

  • テーマ設定が難しい
  • 発言量が多い応募者を高く評価しがちになる
  • 明確な基準や面接官への事前教育がないと、面接官の好みで評価しやすい


「グループワーク選考」とは?

グループワーク選考とは、複数人の応募者にグループを組ませ、あるひとつの課題を与えて時間内に解決させるという形式の選考です。課題に取り組むプロセスを面接官が見て、合否を判断します。協調性を計るという意味ではグループディスカッションと似ていますが、グループワークは討論形式ではなく、「新規企画立案」「資料分析、戦略立案を行う」といったように実際の業務・仕事内容に近い集団作業となります。

グループワーク選考の目的 

グループディスカッションよりも自由な状況で行われるグループワークでは、選考の目的は、グループの中で各応募者がそれぞれどのような役回りを行うのかを見ることにあります。

段取りを考え指示を出すリーダーになる人、気遣いをして意見や作業のサポートをする人、タイムキーパーをする人、批評家、指示を待つだけの人など、個人面接では見られない集団の中での立ち回り方をはっきりと見ることができます。他にはコミュニケーション能力、集中力、計画性、論理性、協調性、判断力なども、グループワークの過程と成果から大まかに見えてきます。

選考の目的に照らしてテーマの設定が妥当かどうかを充分に検討する必要があるでしょう。

 

グループワーク選考のメリット 

  • テーマを実務に近づけることで、企業/業務理解促進、応募者のセルフスクリーニング促進ができる
  • 一度に多くの応募者を評価でき、効率が良い
  • 集団の中での応募者の顔を見ることができる
  • コミュニケーション能力、協調性などの個人面接では見られない特徴を見ることができる

 

グループワーク選考のデメリット 

  • 時間的な制約があるので第一印象に左右されやすい
  • 面接に慣れていない面接官が多いので判断の精度が低い
  • 応募者は他の応募者の発言や対応に影響される

【具体例に学ぶ】マナー、ポイント、NG質問例

面接・人物評価にあたっての姿勢や留意点

  1. 正直に接する
    分からないことは分からないという。事実と自分の考えは区別して話しましょう。また、自社の課題も聞かれた際には、隠さず話しましょう。理想や良い部分を伝えるだけでは、信ぴょう性もありません。

  2. ネガティブな表現を控える
    競合他社や上司、会社等の悪口を言わないようにしましょう。応募者のモチベーションを落としてしまいます。また、応募者を否定する発言も好ましくありません。気を付けましょう。(ex元気がないですね)
     
  3. 専門用語を多用しない
    応募者に分からない用語を出しても伝わりません。相互理解を深めるためにも、共通言語や平易な言葉で、コミュニケーションを取ることが大切です。
     
  4. 携帯電話のスイッチを切っておく
  5. 面接中は他の社員を入室させない(電話のことづけなど)
  6. 応募者に対して、まっすぐに向き合う(ふんぞりかえって座ったり、足を組んだりしない)
     

 

面接の時間配分に配慮を

時間配分も気を付けましょう。経験の浅い面接官は「自分と価値観が近い」「好印象を持った」応募者とは面接時間が長くなり「自分と価値観が合わない」「悪印象を持った」応募者とは短時間の面接になりがちです。応募者の予定も考慮し、あまり長すぎる面接をしないことも重要です。反対に短すぎる面接ですと「きちんと見られているのか分からない」「なぜ、自分が選考を通過したのか分からない」という印象を応募者に与えてしまいますので、適度な長さで行うようにします。また、応募者が複数人での面接では、割振り時間を均等にすることも忘れてはいけません。最初の回答者が長く発言すると、つられて後の回答者も長くなる傾向があるため、時間コントロールができなくなります。

 

不採用者の対応について

不採用者に対して、配慮が足りないことも少なくありません。これは大変残念なことだと思います。たとえその人物が不採用になったとしても、応募者に対しては人格を尊重するのはもちろんのこと、数ある企業の中から選考を進んでくれたことに対して感謝しなければならないでしょう。面接では短時間で相手の良い側面を発見したとは言えないかもしれませんし、合否の判断も社内における採用枠に対する応募者の相対評価に過ぎません。それに応募者も商品やサービスを通じて、何らかの形で今後も関わりを持つお客様と考えると、なおさら十分な気配りが必要でしょう。具体的に言えば、合格者だけでなく、不合格者にも不採用の連絡を入れる、文書であれば「親展」にして封書で送る、電話であれば直接本人宛で伝える、など相手の気持ちを考慮した対応が求められます。もちろん面接中に不採用を確信したとしても、残りの面接時間で手を抜くことがないように心がけましょう。

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