意見

評価方法と評価基準は守られたか?

一般に面接官研修は採用シーズンの前に一括して行われることが多くありますが、事後に行うことはあまりないようです。採用シーズン後にまで面接官に研修を行う人的コストはかけられないということ理由に挙げられますが、面接後にこそ振り返りをしておくべきでしょう。特に次年度以降も面接官を担当する場合、自身の面接官としての評価を振り返ることでノウハウや経験を正しく蓄積することができます。誤った面接手法に気づかないまま次年度を迎えることは、採用活動全体へのリスクに他なりません。こういったリスクを回避し、次年度の採用面接の質を向上させるために面接後の振り返りを行いますが、その目的は次の3つにまとめられるでしょう。

  • 自身の評価手法が正しかったかを知る
  • 自身の評価基準が適切だったかを知る
  • 自身の面接官としての態度が適切だったかを知る

では、面接後にはどのような振り返りをすればよいのでしょうか。まずは、面接官ごとに自らの評価を振り返り、申し送り事項とともに他の面接官とディスカッションすることが重要です。例えば、同一の応募者に対する自らの評価と他の面接官の評価にずれはないかを確認することで、自身の評価を客観的な基準と照らし合わせて振り返ることができます。場合によっては、同一の応募者を複数の面接官がまったく逆の評価をしていることもあります。そのような場合に、自身の評価を根拠とともに説明し、また別の面接官の意見を傾聴することで面接評価をすりあわせることができます。このような振り返り研修を行うことで、評価項目の確認(質問)方法のパターンはないか、評価表や申し送り事項をもっと役立つものにするにはどうすればいいか、など、次回以降の面接時にすぐに役立つ視座を得ることができるでしょう。

また、人事採用担当者は面接を振り返ることで、評価項目と評価手法が正しくマッチしていたかを確認しておかなければなりません。面接の評価表の作り方についても常に改善が必要でしょう。記入の方法がわかりづらい、評価表のフォーマットでは書き漏れが生じるなど、運用を経ると改善すべきポイントが見えてきます。次年度以降の採用活動のために早めに改善点を洗い出しておくことが重要です。さらに、面接官ごとの評価の分析をすることで、個別の課題も見えてきます。評価のポイントの分散傾向を見ることで中心化傾向を把握したり、評価のコメントをみることで評価の適正を見たりすることができます。他の面接官と著しく評価がずれる面接官には、場合によっては次回以降の面接を依頼しないようにする必要があります。

評価の項目と手法、面接の有効性

下の表では、採用選考の場面で一般的に用いられている各種採用手法とそこから見える人材特性についてまとめています。

評価項目

 

表を見ていただいて分かる通り、面接で評価しうる側面は他の手法に比べ圧倒的に多数です。

・職業観・職業興味 (志望動機、働く目的、働き方の好み、志向、価値観etc.)
・性格(外向性、協調性、誠実性、情緒安定性、開放性etc.)
・基本的態度・姿勢(社会性、責任性、自主性、意欲、素直さ、ポジティブ思考etc.)
・基本的能力(言語能力、論理的思考力、英語能力etc.)
・知識(専門的知識、一般教養etc.)
・スキル・コンピテンシー(コミュニケーション力、思考力、実行力、対人関係力etc.)

納得性

面接は評価しうる人材特性が多いということのほかにも、採用する側、される側にとって納得度が高いということも特徴として言えるでしょう。
その証拠にほとんどの企業では適性検査や学力試験などのペーパーテストを行ったとしても、面接試験を最も重要な(かつ最終的な)評価方法と位置付けていますし、適性検査と面接の印象が異なった場合は面接の印象を優先させているのではないでしょうか。
また、応募者にとっても何を基準に選考されているのかわからない適性検査や業務に直結しないテーマでのグループディスカッションよりも、自分をしっかりと見てくれたと感じられる面接の方が合格・不採用のいずれの場合でも納得度は高いように見受けられます。

選考フローで最も志望度が上がる「面接」

就職活動を終えた応募者に「最も志望度が上がった瞬間は」というアンケートを取ると、「面接」と答える学生が最多数になることが良くあります(下図参照)。

就職活動のどの過程でもっとも志望度が高まりましたか。

出典:2013年大学生の就職活動ふり返り調査 株式会社 リクルートキャリア

一般的に企業は応募者の魅力付けを会社説明会やグループワークとし、面接は見極めの場としていることが多いにも関わらず、なぜ応募者は面接で志望度を上げるのでしょうか。具体的に志望度が上がった面接としては以下のようなコメントが集まっています。


□ただ質問されるのではなく、お互いに意見を交わすことができ、価値観の交換ができた。【文系・男性】

□一次面接から集団ではなく個人面接だった。質問内容もあなたならこのような場合にどう対処しますか?といった、職場で想定される事態について、自分の考えをしっかり聞いてくださった。人柄や考え方をきちんと見てもらえた気がして志望度が高まった。【理系・女性】
□自分の仕事内容を楽しそうに語ってくださった社員の方とのリクルーター面談は、志望度が上がった。 自分が入社したら、というイメージもつかめた。【文系・女性】
□「なぜ?」を重視する面接で、自分がどういう考え方をしているかを知ろうとしてくれていると感じた。【文系・男性】
□面接という感じではなく、普通の会話のように面接を進めてくれた。いつも緊張して上手く話せない私でも、初めて素を出して話すことができた。【理系・女性】

出典:2013年大学生の就職活動ふり返り調査 株式会社 リクルートキャリア


 

上記のコメントに共通することは「自分の事を深く知ろうとしてくれた」という心理ですが、これは心理学でも定義されている「返報性」という人間の特性に関係しています。返報性とは、他人から何か恩恵を受けた後、お返しをしなければならない気持ちになることです。熱心に恋愛相談に乗ってくれた人とその後付き合ってしまうケースなどは、この原理が働いている分かりやすい例かも知れません。

面接で相手を知るために丁寧に質問をしていくことで、応募者の志望度を上げることも可能なのです。

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「グループワーク選考」とは?

グループワーク選考とは、複数人の応募者にグループを組ませ、あるひとつの課題を与えて時間内に解決させるという形式の選考です。課題に取り組むプロセスを面接官が見て、合否を判断します。協調性を計るという意味ではグループディスカッションと似ていますが、グループワークは討論形式ではなく、「新規企画立案」「資料分析、戦略立案を行う」といったように実際の業務・仕事内容に近い集団作業となります。

グループワーク選考の目的 

グループディスカッションよりも自由な状況で行われるグループワークでは、選考の目的は、グループの中で各応募者がそれぞれどのような役回りを行うのかを見ることにあります。

段取りを考え指示を出すリーダーになる人、気遣いをして意見や作業のサポートをする人、タイムキーパーをする人、批評家、指示を待つだけの人など、個人面接では見られない集団の中での立ち回り方をはっきりと見ることができます。他にはコミュニケーション能力、集中力、計画性、論理性、協調性、判断力なども、グループワークの過程と成果から大まかに見えてきます。

選考の目的に照らしてテーマの設定が妥当かどうかを充分に検討する必要があるでしょう。

 

グループワーク選考のメリット 

  • テーマを実務に近づけることで、企業/業務理解促進、応募者のセルフスクリーニング促進ができる
  • 一度に多くの応募者を評価でき、効率が良い
  • 集団の中での応募者の顔を見ることができる
  • コミュニケーション能力、協調性などの個人面接では見られない特徴を見ることができる

 

グループワーク選考のデメリット 

  • 時間的な制約があるので第一印象に左右されやすい
  • 面接に慣れていない面接官が多いので判断の精度が低い
  • 応募者は他の応募者の発言や対応に影響される

志望度を上げる面接手法

面接で志望度を上げる必要性 

採用における面接は、面接官が応募者を評価する場だと思われがちです。しかし、面接での面接官の態度・言動で応募者は会社を見極め、志望度が決まります。つまり、その場にいる面接官は応募者にとってはその会社の「顔」なのです。就職と採用においては、応募者だけが評価されるわけではなく、企業も評価されているということを意識する必要があります。では、面接で応募者に良い印象を与え、企業志望度を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。

志望度を上げる面接手法

 応募者の志望度が上がる瞬間について調査したデータがあります。(図1・2参照)。

図1(出典:Jobweb  調査レポート13卒調査)



図2: (出典:Jobweb  調査レポート13卒調査)

以上から、応募者は人事の対応、現場社員の対応の善し悪しで志望度が変わるということが分かります。また、就職活動を終えた大学4年生を対象にした、「志望度が上がった選考、下がった選考の理由とは?」のアンケートで次のような意見が出ています。

 


 

・選考を重ねる度に志望度が上がっていきます。人事の方もゆっくりと話を聞いてくれるので非常に話しやすく思いも伝え  やすいです。また、社員の方がその企業を好きであるのが伝わってきて非常に良かったです。 
・面接官の話の聞き方がとても好印象だった。名刺の受け取り方なども教えてくださった。 
・面接を受けていく上で、将来への疑問や不安をしっかり解決してくれるから。 
・しっかり話を聞いてくれて、人柄をしっかり見てくれていると感じたから。面接の後フィードバックをしてくれたのもありがたかった。 
・面接において、非常に丁寧な応対をしてくれ、一人の人間として見てくれているように感じる。

(出典:enパートナーズ 09学生モニター3月実施アンケート)

 


 

 以上のデータからも分かるように、応募者の志望度が上がる面接に必要なのは「誠実さ」「丁寧さ」「真摯さ」、そして「応募者にとって有益な情報」です。一人ひとりの応募者と向き合い、理解しようする姿勢、丁寧に一つひとつの疑問や不安を解消していく対応が重要だということが分かります。

 そこで、面接官が気をつけるべきポイントは以下3つだと言えます。

 【対立軸で対峙していると感じさせない】

攻撃的な口調・話の腰を折る・机を叩く・体をゆする・険しい表情、などに気を付ける

 【距離感を感じさせない】

相手の目を見て話をする&聞く・腕を組んで話を聞かない・ずっと椅子の背に寄り掛かったままで話を聞かない&話をしないなどに気を付ける

 【理解しようとしてくれている、と感じさせる】

ねぎらう・うなずく・話の内容を確認する などを意識する

 

これらを意識して面接を行うと、面接官個人の魅力を通して企業への志望度が上がることでしょう。


評価基準を理解する

「入りたい人材」より「ほしい人材」を採用する

面接官の本来の使命は、応募者が自社の求める人材なのかどうかを見極めることです。「入りたい!」と言っている人材を採用することは簡単ですが、「ほしい人材」」を採用することが、採用活動の目的であることを忘れてはいけません。面接官は、ヒアリングによって引き出した事実情報に基づき、自社が求める人物要件(仕事に関する能力)を満たしているか否かをジャッジしていくことが求められているのです。

では、求める人物像は、どのように決めていけば良いのでしょうか。自社としてほしい人材か否かの判断を行う前に、まず「どのような人材を採用したいのか」を言語化しておく必要があります。つまり、求める人物像を明確にすることが重要なのです。

 

具体的なシチュエーションを想定し、言語化することが重要

例えば、コミュニケーション能力のある人がほしいのであれば、自社に(あるいは新しい人材を配置する部署に)必要な能力を「コミュニケーション」という言葉を使わずに表現してみてください。「コミュニケーション能力」と一言にいっても、飛び込み営業に求められるのは「初対面でもものおじせず話す力」ですし、クレーム対応に求められるのは「相手の話をじっくり聞く力」と言えます。会社によって、また任せたい仕事によって、求めるコミュニケーション能力は違うはずです。そこを明確にしないまま面接に臨んでしまっては、自社に本当に必要なコミュニケーション能力を持つ人を見極めることなどできません。ですから「顧客に分かりやすく伝えられる説明能力の高い人」のように、できるだけ細かく言語化することが大切です。

また、求める人物像を考える際は、社内でディスカッションする時間を設け、さまざまな立場の人が意見を出しえるのが最適です。通常業務の中で各部署が集まるようなまとまった時間を取るのは難しいかもしれませんが、自社に必要な人材像が明確になり、イメージを共有できるので、ぜひ設けていただきたいと思います。


面接官が応募者の志望度を決める!

ここでは、応募者の志望度をあげるために、面接官に求められる能力について、具体的にご紹介してまいります。

面接官には、大きく3つの力が求められます。これらの力を理解した上で面接に臨まなければ、印象の悪い面接、ひいてはほしい人材を取り逃がすことにつながります。これからレクチャーする基本行動を実践し、効果的に発揮するためにも、知識を身につけ、能力(技)を磨いていきましょう。

1.伝える力

2.ヒアリングする力

3.ジャッジする力

1.伝える力(応募者に「会社の魅力」を伝える)

応募者の視点で、何を伝えるべきか考える

採用活動においては、応募者を選ぶ前に、まず「応募者に選ばれる」必要があります。来てほしいと思う応募者に対して、企業の魅力を的確に伝えていくことが欠かせません。その際に最も大切なのは「応募者にとって」魅力と感じるような視点で、内容を伝えること。応募者が何を基準にして会社を選ぼうとしているのかをしっかりと理解した上で、相手の志向に合うような話をしていくことが重要です。

企業の魅力を伝える4つの切り口

仕事内容を重視している応募者には、仕事の醍醐味を、社風を重視している応募者には社内の雰囲気など…相手の志向に合わせて魅力を話すためには、自社の魅力を数多く洗い出しておき、自社の引き出しをたくさん持っておかなければなりません。それでは、自社の持てる魅力をどのように洗い出せばいいのでしょうか。一般的に、以下の4つの切り口で分類すると分かりやすいです。

  1. 組織の持つ魅力
  2. 仕事自体の魅力
  3. 風土としての魅力
  4. 待遇・条件の魅力
     

ぜひ、この4つの切り口で、自社の魅力を整理していただければと思います。

 

2.ヒアリングする力(相手の特性を引き出す力)

応募者の本音を引き出す

ヒアリング力のポイントは、応募者の「本音」をいかに引き出すか。面接対策本や、面接内容に関する情報がWeb上に氾濫するため、応募者は面接に関しての事前準備を重ねていると考えられます。面接官は着飾った内容を聞くだけに終わらず、応募者の本音を引き出す技術が必要です。

では、どのようにして応募者の本音を引き出せば良いのでしょうか。面接開始時、まず大切なこととして、面接官の第一印象があります。「表情・身だしなみ・態度・姿勢・言葉遣い」などは重要な要素です。「面接官の第一印象=企業の印象」となることを忘れてはいけません。ここで、好印象を持たれるかどうかで、相手の心の開き具合も変わってきます。

本音を引き出すためには、話しやすい場作りも不可欠です。面接に集中できる「面接場所」の選定にはじまり、面接官と応募者の「距離」などの物理的環境の準備も忘れてはなりません。また、和やかな雰囲気作りのための「アイスブレイク」「自己紹介」等、緊張をほぐすような環境作りを心掛けましょう。例えば「今日は当社と皆さんが長く付き合える相手なのかお互いに確認し合いましょう」「花粉症の時期ですから、気にせず鼻をかんで結構です」など一声かけることをお勧めします。(アイスブレイクが長すぎても良くないため注意しましょう)

傾聴の姿勢を大切に

面接官は、目の前にいる応募者に対して、興味・関心を持ち、傾聴することが求められます。相手の話を聞きながら次の質問を考えたり、事前準備を怠ったために資料を読み返したり、時には、直前の仕事を思い返しながら面接をするなどの行為があってはなりません。傾聴の姿勢を続けることで、「自分の話に興味を持ってくれている」という気持ちが伝わり、応募者の本音を引き出すことができます。

また「うなずき、あいづち、目線合わせ」は、相手の話を受け止めるサインの中で最も簡単な行為と言えます。腕組みをしながら、目線も合わせず、無表情で応募者の話を聞けば、大切な応募者を失うだけでなく、会社の信頼も損なうと言っても過言ではありません。他には、同意・共感を示すことも重要です。「確かにその通りですね!」「私も同感です!」「それは大変でしたね!」など、しっかりと共感を示すことや、聞き上手になることで、本音を出しやすくなります。

反復・言い換える技術も身に着けておきましょう。必ずしも賛同できない回答があった場合、否定せず「~ということですね」や「それはつまり~ということですね」など、相手の言葉を受け止めて、発言内容に対して反応を返すことが大切です。

 

3.ジャッジする力(評価する力)

評価するにあたっての注意事項も幾つかご紹介します。まず一つは「評価に正解はない」という事を認識しておくべきです。「何年やっていてもジャッジに自信がない」そんな声を面接現場において耳にすることがあります。実際、面接のプロである採用コンサルタントも、「面接において人を見抜くことは難しい」と話しています。評価における基本をしっかり習得した上で、客観的事実を積み上げ、最終的には面接官の「主観」で判断する。この工程は変わりません。では、どのようにジャッジ力を付けていけばよいのでしょうか。

第一印象はネガティブチェック

面接での判断として、応募者の第一印象は重要な要素です。しかし、あくまで第一印象はネガティブチェック(マイナス要素)であることを忘れてはいけません。第一印象が良いというだけで「合格」にしてしまうことは、多くある過ちの一つです。第一印象は応募者の意識次第で簡単に改善できますので、注意が必要です。

経験を5W1Hに分解して確認する

応募者の能力や本質を見抜テクニックは大きく分けると2つあります。まず一つが、5W1Hを意識して質問すること。過去の仕事や経験を、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように…というように分解していきます。特に意識してほしいのは、「きっかけ」や「学んだこと」です。プロセスに着目している面接官は少なくないと思いますが、それでも「行動→結果」だけで終わっている人がほとんどです。「どんな行動をして、どんな実績(結果)を残せたか」だけでは応募者の能力を判断するには不十分です。特に「きっかけ」は、応募者の自主性を知るための欠かせないキーワードですので、忘れずに確認してほしいと思います。

面接の評価で最も多いパターンは「印象評価」と「雑談評価」の選考ですが、この方法ではどうしても感覚的な物差しに頼らざるを得ず、入社後の戦力性という部分でブレが大きくなります。特に「仲間に入りたいかどうか」だけで合否を決めてしまうと「人間としては良いが、仕事はまるでできない」という人を採用してしまうケースが増えてきます。また「やる気が高そうだから頑張ってくれるだろう」「スポーツをやっていたから協調性がありそうだ」「おしゃべりな人は営業向き」などの感覚による評価が、まったく見込み違いだったということもよくありますが、入社後戦力になるか否か(新卒採用の場合は、ポテンシャル採用なので数年後の戦力化)は、こういった要素では図りにくいのです。

ポイントを絞って掘り下げる

見るべきポイントによってどのようなことを掘り下げて聞いていくかは違ってきます。仮に「リーダーシップ」について確認するのであれば、「自分の考えをどのようなメンバーにどう伝え、どう実行させたのか。そして、どのような結果が出たのか。」ということになるでしょうし「チームワーク」であれば、「どのような仲間と、どのような状況で何を達成し、意見の違いなどをどう乗り越えたのか」という部分が聞くべきポイントになるでしょう。

最初、慣れないうちは「掘り下げる」と言っても、具体的にどのような質問をしていけば良いのか分からないかもしれません。基本的には、応募者が答えたことに対して素直に「なぜそう思ったのか」「どのように対処したのか」などの質問をしていくということです。そのためには、応募者からできるだけ多くの発言を引き出すことが重要です。

ビジネス交渉の場で経験豊富な面接官は、ついこの質問にはこう答えるのがベストだと予想し、そこに誘導するような質問を続けてしまうことがあります。結局、応募者は「はい」「いいえ」でしか答えられなくなります。これでは応募者の本質を見極めることはできません。面接官はカウンセラーのように聞いてあげてください。

掘り下げ質問のメリットは、応募者が「本気で取り組んだかどうか」「本当に取り組んだのか」ということがある程度分かるということです。応募者は時として「面接用に用意したネタ、答え」を言うこともあります。実際にはそれほど本気で取り組んでいない物や実際にはやっていないことは何度か質問して掘り下げられると、事実が出てこなくなるもの。さらに「どういう場面で、どういう行動をとったか」という視点で質問をするこの手法は、考え方を聞く質問よりも応募者の本質が分かる場合は多いのです。考え方を聞くと、理想的な答えを言いがちだからです。ただ、一点注意していただきたいことは、掘り下げ質問をする際に「それでどうしたのですか?」「それで?」とたたみかけるような聞き方をしないことです。それでは「尋問」になってしまい、面接の雰囲気が悪くなってしまいます。あくまで、穏やかに質問することを心がけてください。

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