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面接企画【戦略編】

採用における戦略の重要性

優秀だと思って採用した人が入社後成長しなかった、問題を起こしたという経験をお持ちの企業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、欲しいと思う人材に魅力を感じてもらえず辞退されてしまうケースも少なくありません。大手人気企業が取りいれている採用手法を同じ用に取り入れれば良い人材を採用することができるのかと言えば、そうではないでしょう。採用活動には夢のような「万人共通の正解」はありません。1社1社の個性と、採用したい人材に合わせた各社ごとの戦略が必要不可欠であると言えるでしょう。

この章では採用の戦略をどのように組み立てるべきかについてまとめます。

 


人材要件定義の手法

MVVに基づいた人材要件定義をすべきであるとお伝えしましたが、実際にはどのような手法・ステップを用いて定義を進めれば良いのでしょうか。様々な手法がありますが、ここでは代表的な4つの手法をご紹介いたします。

  1. 採用担当インタビュー
  2. 現場社員インタビュー
  3. ハイパフォーマー分析
  4. 経営者インタビュー  

 

採用担当インタビュー

現在の採用基準で現場でも活躍する人材が採用できているが、実は基準が整理・言語化されておらず感覚に頼った採用になってしまっている場合には、まずは人事採用ご担当者様で会議(または外部コンサルタントを使ったインタビュー)を行うのが良いでしょう。

人の特徴を表す標語を記したたくさんカードなどをツールに用い、現在の採用で重視している要件は何であるのか、それはなぜなのかをMVV、そして現場の業務に基づいてディスカッションを深めます。

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現場社員インタビュー

事業が安定しており、現在活躍している人材と近い能力を持った人材を増やしていきたい場合にお勧めの手法です。社員にインタビューをかけながら現在現場で活躍している人材の共通点、特徴を抽出するのですが、ハイパフォーマー分析とは違い「文脈」を同時に得ることができることがメリットです。なぜその共通点、特徴を持った人が成果を上げられるのか、その背景を正しく掴むことにより、本当に重視すべき要件が見えてくることがあります。

また、MVVと現状の一致についても社員の意識を確認することができます。

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ハイパフォーマー分析(アセスメントの活用)

現在会社で成果を上げている社員がどのような特性を持っているのかを化学的に分析する手法です。こちらも現場社員インタビューと同じく、事業が安定しており、現在活躍している人材と近い能力を持った人材を増やしていきたい場合にお勧めの手法です。一定数の社員に対し適性検査などのアセスメントを用い「ハイパフォーマンス社員」と「一般社員」の統計的な差を分析することにより自社における成果を出すための重要なファクターを視覚化します。また、新卒社員の応募時のデータが蓄積されているようであれば、数年前の応募時のデータを分析に用いることもできるでしょう。

ただし、この分析だけでは「単語」しか得ることができません。ある営業会社では営業のハイパフォーマー社員はそうでない社員と比べ、物事がうまくいかない責任を他人に押し付ける「他罰性」が強い傾向にあるという結果が得られました。これをこのまま採用要件にして良いのでしょうか。その後のディスカッションから、この会社では現場で自分の成績を伸ばすことに熱心で、他者に気を配れない自己中心的な社員が営業成果を出しており、現場は殺伐とした雰囲気が蔓延していることが分かりました。これでは成果が上がっても良い会社になって行きません。つまり、MVVを達成できる人材とは明らかに異なる現状だったのです。この会社はこの分析をきっかけに社内活性化プロジェクトを稼働させたそうです。

このように、アセスメントから科学的に成功要因を求める場合は、出てきた結果に対する「文脈」を得るためのディスカッションが必須となります。

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経営者インタビュー

今後大きく事業を変えていくような過渡期にある会社にとっては、現状を分析しても今後同様の人材が求められるとか限りませんので、経営者の声を反映させていく事の方が有効でしょう。MVVと、今後の事業展開、そこで発生する業務とその推進に必要と思われる力を経営者とじっくり議論することで、今後新たに会社が獲得すべき人材像が見えてきます。この場合、必要な力を人材ポートフォリオ(※)にまとめ、現在会社にいる社員と、これから獲得すべき社員を可視化していくと良いでしょう。

※「人材ポートフォリオ」とは、事業活動に必要な人材タイプを明確化した上で、組織内の多様な人的資源を分類し、どの人材タイプがそれぞれ何人いるか、あるいは必要となるかを分析したもの。企業戦略や目標を実現するために最適な人材タイプの組み合わせを設計するのが目的で、採用や育成を含めた中・長期の戦略的HRMの立案・実行に欠かせないツールとして注目されています。(日本の人事部 用語辞典から引用)

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評価の項目と手法、面接の有効性

下の表では、採用選考の場面で一般的に用いられている各種採用手法とそこから見える人材特性についてまとめています。

評価項目

 

表を見ていただいて分かる通り、面接で評価しうる側面は他の手法に比べ圧倒的に多数です。

・職業観・職業興味 (志望動機、働く目的、働き方の好み、志向、価値観etc.)
・性格(外向性、協調性、誠実性、情緒安定性、開放性etc.)
・基本的態度・姿勢(社会性、責任性、自主性、意欲、素直さ、ポジティブ思考etc.)
・基本的能力(言語能力、論理的思考力、英語能力etc.)
・知識(専門的知識、一般教養etc.)
・スキル・コンピテンシー(コミュニケーション力、思考力、実行力、対人関係力etc.)

納得性

面接は評価しうる人材特性が多いということのほかにも、採用する側、される側にとって納得度が高いということも特徴として言えるでしょう。
その証拠にほとんどの企業では適性検査や学力試験などのペーパーテストを行ったとしても、面接試験を最も重要な(かつ最終的な)評価方法と位置付けていますし、適性検査と面接の印象が異なった場合は面接の印象を優先させているのではないでしょうか。
また、応募者にとっても何を基準に選考されているのかわからない適性検査や業務に直結しないテーマでのグループディスカッションよりも、自分をしっかりと見てくれたと感じられる面接の方が合格・不採用のいずれの場合でも納得度は高いように見受けられます。

選考フローで最も志望度が上がる「面接」

就職活動を終えた応募者に「最も志望度が上がった瞬間は」というアンケートを取ると、「面接」と答える学生が最多数になることが良くあります(下図参照)。

就職活動のどの過程でもっとも志望度が高まりましたか。

出典:2013年大学生の就職活動ふり返り調査 株式会社 リクルートキャリア

一般的に企業は応募者の魅力付けを会社説明会やグループワークとし、面接は見極めの場としていることが多いにも関わらず、なぜ応募者は面接で志望度を上げるのでしょうか。具体的に志望度が上がった面接としては以下のようなコメントが集まっています。


□ただ質問されるのではなく、お互いに意見を交わすことができ、価値観の交換ができた。【文系・男性】

□一次面接から集団ではなく個人面接だった。質問内容もあなたならこのような場合にどう対処しますか?といった、職場で想定される事態について、自分の考えをしっかり聞いてくださった。人柄や考え方をきちんと見てもらえた気がして志望度が高まった。【理系・女性】
□自分の仕事内容を楽しそうに語ってくださった社員の方とのリクルーター面談は、志望度が上がった。 自分が入社したら、というイメージもつかめた。【文系・女性】
□「なぜ?」を重視する面接で、自分がどういう考え方をしているかを知ろうとしてくれていると感じた。【文系・男性】
□面接という感じではなく、普通の会話のように面接を進めてくれた。いつも緊張して上手く話せない私でも、初めて素を出して話すことができた。【理系・女性】

出典:2013年大学生の就職活動ふり返り調査 株式会社 リクルートキャリア


 

上記のコメントに共通することは「自分の事を深く知ろうとしてくれた」という心理ですが、これは心理学でも定義されている「返報性」という人間の特性に関係しています。返報性とは、他人から何か恩恵を受けた後、お返しをしなければならない気持ちになることです。熱心に恋愛相談に乗ってくれた人とその後付き合ってしまうケースなどは、この原理が働いている分かりやすい例かも知れません。

面接で相手を知るために丁寧に質問をしていくことで、応募者の志望度を上げることも可能なのです。

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面接の基本3形式

ここでは、下記3種類の面接形式にについて、それぞれのメリットをまとめております。選考に応じて使い分けることが重要になります。

個人面接…1人の応募者を1人または複数の面接官が面接

メリット
じっくり掘り下げて質問することで、一人一人の応募者について細かい要素の見極めが可能。
応募者にも「じっくり見てもらえた」という納得感を持たれやすい。

デメリット
選考に時間がかかる。また多くの面接官(人的コスト)が必要。

グループ面接(集団面接)…複数(一般的には3~4人)の応募者を1人または複数の面接官が面接

メリット
一度に複数の応募者を選考でき、選考にかかる時間と人的コストを効率化できる。
また応募者をその場で相互に比較しながら面接できる。ネガティブチェック(望ましくない要素の見極め)に向いている。

デメリット
複数の応募者を比較することで相対的な評価になり、一人ひとりの応募者について細かい要素の見極めが難しい。
応募者にも「じっくり見てもらえた」という納得感を与えにくく、志望度アップには向かない

 

グループディスカッション/グループワーク…特定のテーマについて応募者が議論している様子を評価

メリット
一度に複数の応募者を効率的に、また比較しながら選考できる点はグループ面接(集団面接)(集団面接)と共通。
ネガティブチェック(望ましくない要素の見極め)に向いている。

デメリット
複数の応募者を比較することで相対的な評価になりがち、一人ひとりの応募者について細かい見極めが困難、
応募者にも「じっくり見てもらえた」という納得感を与えにくいという点はグループ面接(集団面接)と共通。

グループ面接(集団面接)との最大の相違は、応募者同士のコミュニケーションが見られること。さらに議論のテーマを実際の業務に関連のあるテーマにすることで、応募者の企業理解を深めることも可能。テーマの設定を失敗すると、応募者の志望度を下げることがある。またきちんと評価基準を決めておかないと、単純に発言量が多い応募者に評価が集中しがち。

 

以降では、それぞれの面接手法について詳細に考えていきましょう。

グループ面接(集団面接)

グループ面接(集団面接)とは、個人面接とは対照的に、複数(一般的には3~4人)の応募者を1人または複数の面接官が面接する手法です。グループ面接の特徴を改めてまとめてみましょう。 

メリット
一度に複数の応募者を選考でき、選考にかかる時間と人的コストを効率化できる
また応募者をその場で相互に比較しながら面接できる
ネガティブチェック(望ましくない要素の見極め)に向いている

デメリット
複数の応募者を比較することで相対的な評価になり、一人ひとりの応募者について細かい要素の見極めが難しい
応募者にも「じっくり見てもらえた」という納得感を与えにくく、志望度アップには向かない

また、下記に前述の「的確な面接手法を選ぶために、チェックすべき要素」に沿って、グループ面接の特徴を考えていきましょう。

1.採用人数(何人採るか)

グループ面接は「多数の応募者を、短時間で、単純な基準で選考する」ことに向きます。そのため、採用人数が多い場合は、選考フローの初期段階で使用されることが一般的です。一方、採用人数の少ない会社では、応募者の数も相対的に少ないため、集団面接を実施するメリットは薄いといえるでしょう。

 

2.求める人物像(どんな人を採るか)

グループ面接は上記のとおり、「単純な基準で選考する」ことに向いています。

例えば「話が分かりやすいか」「第一印象が良いか」「自社のことをよく調べているか」「身だしなみ・マナーが良いか」「質問への反応は早いか」という表面的な要素を評価することになりがちです。一人ひとりの細かい見極めには向きませんし、面接を通した志望度アップも困難です。したがって、グループ面接は「本当はすべての応募者に個人面接をしたいが、時間と面接官の数から考えて難しい」という場合に、個人面接に参加してもらう応募者を絞るための、次善策としてとらえるべきです。

1次から最終まで、すべての選考ステップにおいてグループ面接を実施するのは避けたほうがよいでしょう。

 

3.採用の決裁フロー(だれが見るか)

個人面接と同様、一般的に面接官の数は1~2名です。また、1次面接は現場社員、2次面接は管理職、最終面接は役員、といった具合に、選考が進むごとに、異なる階層の社員が面接官を務めるケースが多いという部分も個人面接と共通しています。

 

4.自社をとりまく採用環境(見極め重視で行くか、志望度アップ重視でいくか)

グループ面接は、個人面接に比べて応募者一人あたりの発言時間が短くなります。また、面接全体の時間も、個人面接より短いことがほとんどです(でないと「多くの応募者を一度に選考する」グループ面接を行うメリットが薄まるため)。そのため、応募者にとって「しっかり自分を見てくれた」という納得感を得ることは困難になります。志望度アップには向かない面接手法であると割り切るべきでしょう。

応募者に知名度の高い、いわゆる「人気企業」では、応募者の志望度が比較的高いため、選考の初期段階でグループ面接を行い、いわゆる「振るい落とし」を行う傾向にあります。

また、いわゆる不人気業界に属する企業では、採用人数が100人を超えるような場合でも、志望度醸成を優先し、グループ面接を実施しないケースがあります。


グループディスカッション

グループ面接(集団面接)とは、特定のテーマについて応募者が議論している様子を評価する手法です。グループディスカッションの特徴を改めてまとめてみましょう。

メリット
一度に複数の応募者を効率的に、また比較しながら選考できる点はグループ面接と共通
ネガティブチェック(望ましくない要素の見極め)に向いている
応募者同士のコミュニケーションが見られる
議論のテーマを実際の業務に関連のあるテーマにすることで、応募者の企業理解を深め、志望度アップを図ることも可能

デメリット
複数の応募者を比較することで相対的な評価になりがち
一人ひとりの応募者について細かい見極めが困難
応募者に「じっくり見てもらえた」という納得感を与えにくい
テーマの設定を失敗すると、応募者の志望度を下げることがある
きちんと評価基準を決めておかないと、単純に「発言量が多い」など表面的な要素で評価がしてしまいがち

また、下記に前述の「的確な面接手法を選ぶために、チェックすべき要素」に沿って、グループディスカッションの特徴を考えていきましょう。

1.採用人数(何人採るか)

グループディスカッションは「多数の応募者を、短時間で、単純な基準で選考する」ことに向きます。そのため、採用人数が多い場合は、選考フローの初期段階で使用されることが一般的です。また、「選考を通して業務の疑似体験を応募者にさせることができる」という特徴を生かして、採用人数規模にかかわらず、実施するケースが少なくありません。

 

2.求める人物像(どんな人を採るか)

グループディスカッションは上記のとおり、「単純な基準で選考する」ことに向いています。グループ面接との最大の違いは、「応募者同士のコミュニケーションの様子を見られる」という点になります。

 一方で「表面的な要素しか見えにくい」「応募者を一人ひとりじっくり見られない」という点はグループ面接と共通です。また、面接という非日常的なコミュニケーションとは異なるため、より応募者の「日常」に近い姿をチェックすることができます。

しかし、応募者側もグループディスカッションの対策を行っていますので、ありきたりなテーマ設定をしてしまうと「準備してきたセリフを言って、役を演じる」だけの場になってしまうリスクもあります。

 

3.採用の決裁フロー(だれが見るか)

一般的に1グループないし2グループにつき面接官が1~2名つくのが一般的です。グループディスカッションは最終選考に使用されるケースはまれで、人事採用ご担当者様もしくは現場の若手社員などが面接官を務める傾向にあります。

 

4.自社をとりまく採用環境(見極め重視で行くか、志望度アップ重視でいくか)

グループディスカッションは、面接官一人あたりが見る応募者が個人面接に比べ多くなるため、応募者にとって「しっかり自分を見てくれた」という納得感を得ることは困難になります。

では、志望度アップには向かないかというと、決してそんなことはありません。例えば、新商品の企画を考えさせる、自社の会社紹介プレゼンの内容を考えさせる、など、テーマによっては、ディスカッションを進めながら、自社の業務を疑似体験させることで、自社の理解度を高め、志望度を向上させることが可能です。

上記のように、「複数の応募者を効率的に」選考でき、かつテーマ設定次第では「応募者の志望度アップ」も狙えるというのが、グループディスカッションの利点と言えるでしょう。

一方で、たとえば「朝ご飯は和食か洋食か?」などの、応募者が「なぜこのようなテーマで話させるのだろう?」というような、自社理解に全く寄与しないテーマや、実施意図がわからないテーマでのグループディスカッションは、応募者の志望度を下げることがあります。


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