一番

個人面接

「面接」と聞くと、まず連想するのが一般的にこの個人面接ではないでしょうか。個人面接の特徴を改めてまとめてみましょう。

メリット
じっくり掘り下げて質問することで、一人一人の応募者について細かい要素の見極めが可能
応募者に「じっくり見てもらえた」という納得感を持たれやすい

デメリット
選考に時間がかかる。また多くの面接官(人的コスト)が必要

 

また、下記に前述の「的確な面接手法を選ぶために、チェックすべき要素」に沿って、個人面接の特徴を考えていきましょう。

1.採用人数(何人採るか)

個人面接は、「多数の応募者を短時間で選考する」ことには向いていないため、採用人数が多い場合、いきなり個人面接から選考が始まることは稀です。例えば新卒採用で年間100名を超えるような大規模採用を行う企業では、選考フローの初期段階では書類選考や集団面接で応募者の数を減らしてから個人面接を実施します。

一方、採用人数の少ない会社では、応募者の数も相対的に少ないため、1次選考から個人面接を行い、じっくりと見極め、かつ志望度向上を図るのが上策と言えます。

 

2.求める人物像(どんな人を採るか)

個人面接では、後述の「コンピテンシー面接」のように、応募者の過去の行動事実を深く掘り下げていくことで、自社の業務でパフォーマンスを上げることができる素質があるかないかを見極めることができます。
一方で、ありきたりな質問や、一問一答型の面接では、応募者は覚えてきた内容をそのまま発表する、という結果に陥りやすいという一面もあります。応募者を正確に見極めるためには、面接官の質問力がカギとなります。
逆に言えば、面接経験の少ない、質問力に乏しい社員を面接官にしてしまうと、「話がうまい」「志望動機が高い」「自社のことをよく調べている」「身だしなみ・マナーが良い」という表面的な理由で合否を出してしまう恐れがあります。

個人面接の鉄則は、「入社前後で改善できるような表面上な要素では見極めない」「過去の行動事実から本人の特性を見極め、自社の業務を行うための素養を持っているかという点で見極める」ことと言えるでしょう。
表面的な要素で評価してしまうと、本来自社に向いている人を誤って落としてしまったり、本来は自社で活躍する要素の乏しい人を合格にした結果、入社後の早期退職等トラブルにつながったりしてしまう恐れがあります。

 

3.採用の決裁フロー(だれが見るか)

一般的に面接官の数は1~2名。1次面接は現場社員、2次面接は管理職、最終面接は役員、といった具合に、選考が進むごとに、異なる階層の社員が面接官を務めるケースがポピュラーです。

最終面接などは役員が勢ぞろいし、面接官が5名を超えることもあります。某有名企業では、最終面接官が15人だったという話も聞きます。個人面接の場合、面接官が多すぎると裁判のような雰囲気になってしまい、応募者に圧迫感を与え、良さが発揮できない、志望度が下がるなどの弊害が起こります。

「誰が採用の決裁フローにかかわるか」と「応募者にしっかり実力を発揮してもらい、じっくり話せるために、1回あたりの面接官は何人が適切か」を考えて面接官人数決定および人選を行うことが重要です。

 

4.自社をとりまく採用環境(見極め重視で行くか、志望度アップ重視でいくか)

応募者に知名度の高い、いわゆる「人気企業」では、応募者の志望度が比較的高いため、個人面接を3~5回行うケースも珍しくありません。内容も「見極め」が中心の目的になりやすい傾向があります。

また、いわゆる不人気業界に属する企業では、応募者の負担感を軽減するために面接回数を比較的少なく設定するケースがあります。また、不人気企業の場合は、「見極めてやる」というよりは、応募者の志望度向上に主眼を置いて、応募者に「自分の話をじっくりと聞いてもらえた」という好感を持ってもらうような面接内容を心がける必要があります。不人気企業にとっては、面接は見極めではなく口説きの場と言えます。

個人面接では面接官の態度が、応募者の志望度に与える影響は大きいといえます。「人気企業では面接官が尊大な態度だったので志望度が下がった」「人気企業ではないが、一番自分を買ってくれる会社だと感じたので入社を決めた」という応募者の声は少なくありません。個人面接は、企業ブランドの差を、面接官の質で埋め、応募者の志望度逆転させることのできる場とらえるべきでしょう。

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コンピテンシー面接での質問例

コンピテンシー面接では、応募者が過去に成果を出した取り組みについて取り上げ、どのような行動を取ったかを確かめていきます。これは、従来の志望動機や会社に入ったらどういうことがしたいかを聞いていく面接とは異なります。従来の面接では未来について考えていることを話してもらいますが、コンピテンシー面接では過去について深堀していくので、質問の方法や形式も従来の面接と違ってきます。

≪コンピテンシー面接の流れ≫

1.テーマ設定

まずは、応募者から具体的な行動事実を引き出せそうなテーマを設定するための質問をします。ここでは、成果を確認できるようテーマの大枠を決めるだけで、深堀は始めません。

もし、応募者から具体的な成果が見えない答えが返ってきたら、成果は何かを質問してみましょう。それでも成果のない抽象的な返答が来たら、別のテーマを設定するように質問を変えてみるのもよいでしょう。

【質問例】
「あなたが過去力を入れた取り組みの中で一番大きな成果を出したものはなんですか」

【応募者回答例】
「大学のバスケ部でキャプテンとしてチームを引っ張り、全国大会でベスト8になりました」

2.深掘

テーマが決まったら、応募者にそのテーマについての行動を時系列順で思い出していってもらいます。ここで大事なことは、応募者が事実を具体的にイメージして思い出せるように5W1Hの質問をしていくことです。

【質問例】
「全国大会で勝つために、あなたがキャプテンになって最初にしたことはなんですか」

【応募者回答例】
 「監督と全国大会までのスケジュールとチームの方針を相談しました」

 

成果を出すための行動を確認するよう深堀をしていき、面接が終わったら評価をするようにします。面接中に評価をしてしまうと、事実の確認に集中できず情報が不足してしまうかもしれないからです。

成績表を面接で活用するには?

エントリーシート(履歴書)の面接で本質はつかみづらい

現在の採用では、多くの企業でエントリーシートや履歴書に書いていることに沿った話をしながら面接をしています。実はここに学生の本質の見極めが難しくなる原因があり、それにはエントリーシートの3つの性質が関係してきます。

1.応募者が「したかった活動」について書かれている

したかった活動とはつまり、アルバイトやサークル活動といった課外活動です。これらのテーマについて、応募者がどんな大変なことをしたかと聞いても、結局それは自分のやりたいことについてどう行動したかを聞いているのです。

2.応募者が「伝えたいこと」について書かれている

たとえば、いままで一番辛かったことは何ですかと聞いて、正直に答える応募者はいないでしょう。応募者はたとえ一番辛かった経験ではなくても、こういうふうに頑張った、こういうふうに乗り越えたという話ができるような経験を選んで話すものです。

3.応募者による「自己評価」である

応募者は嘘をつくことはあまりありませんが、話を「盛る」ことはよくあることです。話の盛り方は主に次の3つがあります。

  1. 数字を盛る
    例:10人のサークル→100人のサークル
  2.  結果を盛る
    例:不満続出のイベント→大成功したイベント
  3. 役職を盛る
    例:役職なし→副部長

エントリーシートに沿って話をする面接で応募者の本質を見抜くのが難しいのは、上記3つの性質により、エントリーシートが応募者の「伝えたいことを脚色した」ものとなっているからです。

 


面接官の技量が採用の成功に繋がっている

面接官の印象で会社の印象が決まる!

応募者と一番多く接点が取れる採用場面は、何度も会うという意味で「面接」でしょう。ですから、採用が成功できたかどうかの一番のポイントは、面接にあると言っても過言ではありません。逆説的に考えると、採用活動における一番の落とし穴が「面接」とも言えます。応募者にとって、「面接官の印象」が「会社の印象」そのものであるため、会社のファンを増やすも増やさないも面接官次第と認識すべきなのです。

 

志望度は「人」によって高まる

業種・規模に関わらず、応募者の入社決定理由の上位には、「面接官(お会いした社員)に魅力を感じた」という内容が大変多く挙がっています。応募者は面接という機会を通じて、その企業で働く人を見ています。応募者にとっての、入社後の「目指したい姿」「一緒に働きたい社員」が面接官です。つまり、魅力的な面接が出来るか否かで、志望度の高低が決まるのです。

欲しい人材を見極めるだけでなく、来てもらえるようにする。

今まで受けてきた面接の中で、印象の悪かった面接をヒアリングしてみると、それは、「選ぶ(選ばれる)ためだけの面接」であり、面接官が一方的に進める面接が数多く挙げられています。面接は、評価(ジャッジ)としての機能だけではなく、他の機能があることを忘れてはいけません。面接官は、自分の求められる役割を十分理解した上で、面接を成功に導くことが求められています。

特に応募者は、企業と生で接した場合、必ず会社の雰囲気を感じ取っています。よく険しい顔の面接官が、学生の言葉にうなずきもせずに書類に目を落としたまま面接していることがありますが、そのような面接では「何だか厳しそうな会社だな」「会社の雰囲気も暗いのではないか」という印象を持たれるでしょう。反対に、笑顔で明るい雰囲気の面接を行う会社であれば「会社の雰囲気も良さそうだな」という印象になります。応募者が素の自分を出せるよう、より良い環境を整えることによって、応募者との心の繋がりができます。

こういった考え方は、採用担当者だけではなく、面接に携わる関係者すべての人が意識すべき事項です。成功する企業の多くは、採用活動が始まる初期段階で関係者を集めたキックオフの会議を開くなど、頻繁に意識のすり合わせを行っています。


評価表を作成する

評価の視点を統一化させるツールが評価表

面接官が複数いる場合、選考基準が共有化されていないことや、一見、共有化されているように見えても、実際の評価は面接官によって独自判断されているケースがよくあります。特に経営者と採用担当者とでは、学生を見る視点や求める人物像は当然違いますので、事前のすり合わせは丁寧に行います。そのためのツールとして「評価表」を作成します。評価表があると、見たい要素は何なのかも決まり、周囲との共有も図りやすくなります。

例えば、コミュニケーション能力、人当り、過去の履歴などを見たい場合、普通に「過去に取り組んだこと」「将来何をやっていきたいか」「志望動機を教えてほしい」などをストレートに聞けばよいのですが、バイタリティ、問題解決能力、リーダーシップ、計画性などを見たい場合、単に「あなたは行動的ですか」「リーダーシップを発揮した経験を教えてください」などの質問では、応募者の正確な情報を得ることはできません。

バイタリティ、問題解決能力、リーダーシップ、計画性などの要素は、行動と意思のレベルを見分ける面接を行う必要があります。どのような場面でどのような行動がとれる人なのかを過去顕在化した行動に絞って掘り下げて聞くことで、将来的に戦力になりえる行動特性がある人なのかどうかを見ていきます。応募者によって質問することが変わってしまい、見るべきポイントがずれることのないよう、ぜひ「評価表」を準備しましょう。

 

評価表を作成する上での注意点

評価表を作成する際に、まず大事なのは「選考基準を何にするのか」を明確にすることです。これは、自社の仕事を遂行していく上で「持っていなければならない要素」とリンクしていなければなりません。現在、在籍している社員や過去採用した社員を分析してみて、優秀な社員とそうでない社員の差を行動特性や価値観といった視点からあぶりだしてみれば、必要な要素が特定しやすいと思います。

次に「面接で確認したい要素」を見極めるために、最初にどのような質問をするべきか設定します。これは、ある程度の採用経験がないと難しいため、幾つかの模範となる質問例を参考にしながら実施することをお勧めします。ポイントは「○○に自信はありますか」といった聞き方ではなく、過去に顕在化した行動(事実)を聞いていくことです。

注意しなければならないのは、最初から本題の「面接で確認したい要素」について質問をしても、応募者は答えにくいということ。面接にも流れはありますので、最初に事実が出てこない場合、面接官もそれ以降の質問がしにくくなります。最初はできるだけ「一番力を入れて打ち込んだこと」など応募者が答えやすい質問をし、双方のコミュニケーションを温めていくことが必要でしょう。

また、面接の質問はあくまで、事実を深堀する前のきっかけに過ぎませんので、一問一答で応募者にぶつけていくのではなく「その時、どう対応したのか」「どのようにそれを行ったか」「なぜ、そう思うのか」など事実を丁寧に確認していくことが重要です。また実際に面接の場では、「評価表」とは別に書き取り専門のメモ用紙などを用意すると良いです。面接中は会話に集中するため、メモ用紙に単語で書き取る程度にし、面接終了後の評価時間に「評価シート」に書き込むようにします。


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